キャリアと人材育成

キャリアとは、スーパー(1960)いわく誕生から退職後までにも渡る人生全般の生活を視野に入れて職業を考えるということだが、職場におけるキャリアを形成していく過程において重要なのは、コミュニティや対人関係を築き上げる「コミュニケーションスキル」、自分の特性や長所、価値観や仕事観を自身で認知し、成長する「自己分析能力」、問題に気づき、解決するために実行する「課題設定力・解決力」、さらに上記3つの能力を踏まえた上で、計画を練り目標を明確にし、それらをスケジュールに組み込んで実行に移す「計画性と行動力」であると考える。そしてこれらの能力やスキルを個人としていかに磨くか、そして組織はどのように教育していけばよいのかを私の考察で述べていく。個人としてキャリア形成に必要な能力を磨くというのであれば、就職をしていない学生のうちからでも、日常のあらゆる場面で身に付けていくことができる。コミュニケーションスキルはアルバイトや日頃の生活で相手の主張を正しく理解して円滑に対話することを意識し、その上で自らの考えを明確に伝えていく。例え価値観や思想が違っていても認め合い、学ぶ姿勢を取ることで、協調性や柔軟性が得られる。

自己分析能力はとにかく様々なことに挑戦することで、失敗も成功も経験し、自分の適正や特性、長所と短所、やりたいことなどを明確にしていくことで自分はどういう人間なのかを確認していく。さらに、困難や壁に直面した時にそれに向き合い乗り越える耐力・胆力もみにつく。計画性と行動力についてはスケジュールの管理を豆に行ったり、目標と方法が決まればすぐに行動に移すことを意識して生活を送る。

次に、組織が人材育成およびキャリア形成の手助けとなる教育はどのように行えば良いのかについてを考えていく。

経営トップ陣らが自ら講師となって企業理念や自社が大切にする価値、行動規範などの理解、浸透を図る研修を実施した上で、役員や管理職がそれぞれにテーマを設定して、寺子屋的教育等を実施する。さらに全ての従業員までは難しくとも、キャリアモデルとしたい幹部候補等人材(職場におけるローカルモデル)について、中長期の育成計画を作成し、それに基づく人事配置、人事ローテーション、仕事の割り振り、教育を実施し、育成する取り組みを行う。組織単位で、自組織にあった人材育成や研修を企画し、推進するキャリアサポーターを設置、そしてこれを中心に各現場に即した手作りの教育を実施する。また、同じ部署の上下関係ではなく、部署を越えたナナメの関係で新人を育成するメンター制度やブラザー・シスター制度を導入する。

社内で教育訓練体制を構築することが難しい状況において、社外での自己啓発やキャリア形成に向けた教育の受講や業務に有効な資格取得に対して支援する資金援助制度や褒賞制度を取り入れることで、従業員のモチベーションアップにも繋がる。